福岡MPオフィスの松股です。
何か教えてほしいことや相談したいことがあれば、chatGPTやGoogle Geminiなどを使って調べる人が、今はかなり増えていると思います。
私自身も仕事のヒントを求めたり、コラムを書くときに情報を得ようとしてAIに聞いてみることはよくあります。
chatGPTは話題になり始めた頃から使っていて、最初のうちは自分の専門分野について一般人のふりをして聞いてみて、どんな回答が返ってくるのかを試してみたりしました。
当時はそこそこ的確な回答ではあるものの間違っている情報もあり、利用者がこれを全面的に鵜呑みにしないか心配したものでしたが、しばらくしてあらためて同じ質問をしたところ、以前よりかなり的確な回答が返ってくるのです。
ここ数年でのAIの進化には本当に驚かされます。
それでは住宅ローンのことでAIに相談するのはどうなのでしょうか?
私個人の意見で言えば「参考情報として捉えるにはとても有効。ただしあくまでも参考情報にとどめ、それを鵜呑みにして決断することは避けるべき」だと思っています。
AIは膨大な情報をもとに回答を出してきます。
ただし回答の中には誤った情報や古い情報を元にしたものもあり、現場の実情を踏まえていない机上の話にとどまっていることもあるからです。
その点はAIが進化した今でも注意が必要だと思います。
住宅ローンの金利優遇や審査の可否は、相談者の属性、申込銀行との関係性や個人信用情報など、さまざまな要素の組み合わせで判断されます。
しかしAIは入力された情報だけをもとに一般的な回答を返すため、相談者特有の背景や前提条件が十分に反映されません。
また「今買うべきかまだ待つべきか」「固定にするか変動にするか」についても、相談者個別の細かい情報や事情を入力したとしても、ヒントは出せても明確な回答は出せないのです。
住宅ローンは各銀行や保証会社の審査規定や融資方針、また担当者の力量によって、金利優遇や審査の可否の判断が変わります。
それらは各銀行や保証会社独自の内規であることから、AIがそれらを学習することは困難です。
こうした現場特有の感覚は、AIの回答にはほとんど反映されません。
AIがとても詳しい回答を出したとしても、最終的に判断するのは人間である相談者です。
AIの回答を鵜呑みにして相談者が判断した結果、想定外の結果を招くことがあってもおかしくありません。
極端な事例かもしれませんが先日、巨人軍の監督だった阿部慎之助氏が家庭内暴力事件で逮捕されるという出来事がありました。
あれは暴力(実際はどの程度の暴力か分かりませんが)を受けた子供がchatGPTに問いかけての回答「児童相談所に連絡すること」を実行したことから警察出動までに至り、世間を騒がせた結果となりました。
子供からすればそこまでの騒動になるとは考えてもなかったでしょうが、それについてAIが責任をとることはありません。
いかなる場合でも、責任は人間である相談者にあるのです。
住宅ローンに関する相談事で、AIそのものが使えないというわけではありません。
考え方の整理や方向性をつかむうえでは大いに役立つでしょう。
ただし、それはあくまでも参考情報です。
回答を鵜呑みにして判断するのではなく「どこが正しくて、どこが足りないのか」を見極める必要があります。
そこを注意すれば、AIはとても優秀な情報提供者だと言えるでしょう。
ただし住宅ローンのように各個人の状況によって回答が異なる分野において、個別に適したアドバイスが出来るのは、AIではなく人間である「専門家」だと、私は思っています。