住宅ローンに関して報道番組を見る時の注意点

ニュースなどの報道で住宅ローンに関する話題が取り上げられる機会が増えました

福岡MPオフィスの松股です。

昨年3月に日銀が政策金利のマイナス金利を解除してから住宅ローンの変動金利が上昇し、今年になってからもほぼすべての銀行で4月に変動金利の基準金利が上昇しました。
住宅ローンの変動金利は日銀の政策金利の動向に影響を受ける可能性が高いことから、今後も上昇するのではないかと不安を持つ方もおられることでしょう。
ただし今は、アメリカのFRB(連邦準備理事会)が9月に政策金利の利下げを示唆していることから、日銀は利上げをしにくくなったと見る識者もいます。

 

しかし住宅ローンの変動金利は昨年まで長年にわたって史上最低金利が続いたことから、昨年から今年にかけて金利が0.4%~0.5%ほど上がったことで、ニュース・ワイドショー・モーニングショーなどの報道番組では、住宅ローンの金利のリスクがしばしば取り上げられるようになりました。

 

その内容としてよくあるのは「変動金利の上昇で住宅ローンの返済金額が上がり、家計に負担が・・・」といったものですが、果たして視聴者の多くがそれに該当するものなのでしょうか?

 

報道ではレアケースの事例が使われることも part-1

住宅ローンの専門家である私から見ると、報道の中で取り上げられる事例には「レアケース」だと言える事例に気づくことがあります。
例えばこの事例です。

 

 

3年前に住宅ローンを借りて返済中のところ、変動金利が0.3%から0.6%に上昇したことで毎月返済額が2万5,000円も増えたという事例です。
住宅ローンの仕組みに詳しくない人が見れば「金利が0.3%上がっただけで毎月返済額が2万5,000円も上がるのか?」と驚かれることでしょう。
なお、この事例は間違いでも嘘でもありません。
ただしこの事例のポイントは以下の2点です。
①借入先をネット銀行としていること
②借入期間が20年返済であり、住宅ローンとしては比較的短い借入期間であること。

 

多くの銀行では、変動金利の住宅ローンは年に2回の金利見直しで適用金利が上がっても(下がっても)返済金額が見直されるのは5年に1度という「5年ルール」が設けられています。
住宅販売の関係者や変動金利で住宅ローンを取り組んだ人の中には、そう認識している人が多いのではないでしょうか?
ただしこれはどの銀行でも適用しているルールではなく、例えばソニー銀行やSBI新生銀行のように「5年ルール」を設けていない銀行もあるのです。
よってそれらの銀行だと、借入から3年目でこのような現象が起きても不思議ではありません。
そしてこの2行は、まさに①のネット銀行なのです。

 

また②の借入期間が20年というのは、住宅ローンの返済期間としては短い方だといえます。
この事例の場合、借りた人の年齢を見ると妥当な借入期間だと言えますが、借入期間が短いということは当然のことながら毎月返済額は高くなります。
そしてローンの残り年数が短いことから、適用金利が上がった場合の返済金額の上昇幅も、より大きくなるのです。

 

よってこの事例は「5年ルール」の適用がないネット銀行からの借入であること、当初からの借入期間が20年であること、この2つの事柄が重なった、昨今の住宅ローンの借り方としてはレアケースともいえる事例なのです。

 

報道ではレアケースの事例が使われることも part-2

 

事例をもう一つ挙げます。

 

 

この事例のポイントは1つだけですが、60歳の人が38歳の時(22年前?)に変動金利0.5%で借りたという点です。
果たして22年前に「変動金利で0.5%」という商品があったのでしょうか?

 

私が今の事務所を開業したのは2010年7月、今から15年前です。
今回、私のパソコンに保存している当時のデータをあらためて見てみました。
2010年当時の変動金利で最も低かったのは、住信SBIネット銀行の0.975%でした。
いわゆる金利が低いとされるネット銀行の数は今よりも少なく、低金利競争はまだ激化していない時期です。
そしてそれより以前、特にリーマンショックがあった2008年までは金利が上昇傾向にあった時期もあったので、この時期で0.5%という金利は私の記憶にはありません。

 

ただし銀行は住宅会社との提携ローンという形で特別に低金利で貸し出すケースもあるので、この事例が間違っているとは言い切れませんが、まだ今ほどの金利割引がされていない22年前のことを考えると、住宅ローン業界に長年関わっている私には信じられない低金利です。
もしこれが提携ローンの特別金利だとすれば、それこそレアケースの事例だと言えるでしょう。

 

まとめ

 

住宅ローンに関する報道を見ていると、あまり一般的ではないレアケースの事例を出して、視聴者の不安を煽るかのような解説をたまに見かけます。
視聴者として見る場合、それが自分にもあてはまるのか?などの不安を感じても、自身で調べるなり専門家に相談するなり、冷静に考えるようにしていただきたく思います。

 

株式会社福岡MPオフィス

〒811 - 3434 

福岡県宗像市村山田1124-1 

 

TEL:0940-37-3883

FAX:0940-39-3399

営業時間 9:30~18:00

    (時間外でも対応可)

 

email;fmpoffice@honey.ocn.ne.jp

 

休業日  不定休

 

対象地域

福岡県 およびその近郊

 

お気軽にご相談ください