福岡MPオフィスの松股です。
前回「住信SBIネット銀行が短期プライムレートを0.1%引き上げ」との内容のブログを書きましたが、当時の記事にあったとおり5月になって変動金利の基準金利が2.775%から2.875%に引き上げられました。
これで今月は新規借り入れの適用金利も上昇するだろうと思っていたのですが、結果としては少々意外な展開となっています。
住信SBIネット銀行で新規借り入れをした場合、借入金額割合や借入年数によって適用金利が異なります。
4月の変動金利の適用金利は以下の内容でした。
①(最優遇金利)借入金額が物件価格の80%以内: 0.298%
②借入金額が物件価格の80%超~100%以内: 0.320%
③借入金額が物件価格の100%超: 0.344%
④借入期間が35年超: ①②③の適用金利に+0.15%
しかし5月の適用金利は以下の内容となっています。
①(最優遇金利)借入金額が物件価格の80%以内: 0.298% ←変わらず
②借入金額が物件価格の80%超~100%以内: 0.330% ←0.01%アップ
③借入金額が物件価格の100%超: 0.359% ←0.015%アップ
④借入期間が35年超: ①②③の適用金利に+0.15% ←変わらず
借入金額が物件価格の80%以内(自己資金が物件価格の20%以上)の借入者に適用する最優遇金利は据え置かれました。
これは基準金利が0.1%上がったものの、基準金利からの引き下げ幅も0.1%引き上げたからです。
物件価格に対して20%以上の自己資金を準備できる借入者は、銀行にとってリスクが小さい顧客です。
短期プライムレートを引き上げて変動金利の基準金利も引き上げたものの、優良顧客の取り込みは変えたくないという意図から、このように対処したものだと考えられます。
なお先述の②や③では適用金利が引き上げられたものの、予想していたよりかなり小幅な引き上げでした。
これは最優遇金利の適用者以外も従来通り取り込めるよう、上げ幅を最小限に抑えたものだと考えられます。
円安による資材の高騰などによって物件価格が上昇する中、また日銀の今後の動向次第では、住宅ローンにおいては各金融機関の新規顧客獲得競争がこれからさらに激化するかもしれません。
今回の住信SBIネット銀行の対応は、それを予感させる出来事だと言えるでしょう。