大手銀行が10年固定金利を引上げたことについて

福岡MPオフィスの松股です。

大手銀行が4月の固定金利(主に10年固定金利)を前月より引上げたことは、ニュースでご存知の方も多いと思います。

日銀によるマイナス金利の導入後、その効果がまだ見られない中、どうして引上げられたのでしょうか?

今回はそのことについて触れてみます。

 

住宅ローンの固定金利は、長期金利(10年もの国債金利)を指標としています。

最近の長期金利の動向は画像のとおりです。

 

 

2月中旬以降、長期金利はマイナス金利となり、3/18には史上最低の-0.135%となりました。

それ以降現時点まで、金利はマイナスで推移しています。

これだけを見ると、今月の固定金利の上昇は考えられません。

 

それではなぜ、大手銀行は10年固定金利を引上げたのでしょうか?

 

理由は以下のように推測されます。

 

・長期金利はあくまでも指標であって、各金融機関が金利を決定する背景には経営コストや経営判断もある。

・日銀のマイナス金利以降、10年固定金利は新規顧客獲得のための主力商品となっている。

・低金利を強調させて年度末(銀行の決算月)に多くの新規顧客の融資実行をした。

・4月に金利を引上げたことによって、年度末に融資実行した顧客への体面が保てる。

・その根拠として多くの銀行は(ほとんど売れていないであろう)「10年超の固定金利」を4月に引下げている。

 

なおフラット35は、借入期間21年以上の場合に限られますが、4月は金利が引下げられています。

 

 

今回の大手銀行の固定金利引上げは、私個人としては、一時的なものだと考えています。

ただし長期金利の動向を見ると、3月を下回るような金利の引下げは今後は考えにくいといえます。

よってまだしばらくは、固定金利は小幅で上昇や下降をする傾向となるのではないでしょうか?

 

いずれにせよ、今が新規取組や借換えの良いタイミングであることは間違いないと思います。

 

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